2016年8月12日金曜日

【俳句新空間No.3】平成二十六年甲午俳句帖 [山田露結]/東影喜子


大きさの違ふ三つの枯野かな 山田露結
不思議な把握の句である。一度に三つの枯野を捉えることは難しい。上空から見ているのだろうか。しかしそれでは枯野の味が落ちてしまうような気がする。記憶の中の枯野と、眼前のそれとを比較しているのであろうか。それでは三という数字が引っ掛かる。親子三人で枯野を見ているというのはどうだろうか。幼い子の視界と大人の視界で、感じられる大きさも異なってくる。子には広大な枯野も、親には果てまで見渡せるかもしれない。そんな「三つの枯野」・・・・・・拡大解釈になってしまったかもしれない。とても惹きつけられた作品。